サイドケースに取り付けたワイヤークリップ

完全DIYでカワサキエストレヤに防水サイドケースを付ける!

サイドケースに取り付けたワイヤークリップ

一箱約1,800円(加工代)!カワサキのエストレヤ に完全DIYのサイドケース(ほぼ防水)を取り付けてみました。初心者が出来たくらいなので、物さえ揃えれば簡単にできるはずです!是非参考にしてみてください。


加工の作業手順

それでは実際の加工方法に触れていきたいます。簡単に流れを説明すると…

  1. サドルバックステー取付(10分)
  2. ステーの縁取りを書き込む(5分)
  3. ワイヤークリップ取付穴を開ける(30分)
  4. 凸型金具の取り付け穴を開ける(15分)
  5. バイクからステーを取り外す(10分)
  6. ステーとワイヤークリップ組合せ(20分)
  7. 凸型金具を取り付ける(10分)
  8. サイドケース完成 実装!(10分)

という流れです。項目「5」ではステー自体はバイク本体から取り外さなくとも、ワイヤークリップ の組み付けは可能です。しかし、ひじょ〜に狭い隙間での組み付けになりますので、個人的には一度取り外した方が効率が良いと考えてます。

因みに()内は時間の目安です、早い方もいるでしょうし遅い方もいらっしゃると思います。とりあえず工程としてはスタートしてから2時間ほどは見ておくと良いと思います。


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1.バイクにサドルバッグステーを取付

サイドケースに取り付けたワイヤークリップ

ここでは私が使用しているKIJIMA製のサドルバッグステーを元に記載してます。

サイドケースを取り付けるためにまず「ケースの取り付け位置を決める」という工程がありますので、ステーをバイクに取り付けてからケースを実際に当てがって、自分なりの組み付けポジションを探っていく事になります。その第一工程です。

単純にサドルバッグステーを取り付けるだけです。注意点としてはセンタースタンドを立てての作業でも良いと思いますが「ジャッキ」を使用して、センタースタンドの根元でポイントを取って作業すると取り外し・組み付けが楽に出来ます

サスペンションボルトの外側は「12mm」リアカウル裏のナットは「14mm」だったはず…年式で個体差も有るでしょうし実際に合わせて見るのが良いでしょう。


  1. サイドレールリア側のボルトを外す
  2. サスのスイングアーム側ボルトを抜く
  3. サスのリアカウル側のボルトを抜く
  4. サイドレールのボルトに共締めする

工程の「2」は飛ばしていきなり「3」でも行けるかもしれません。しかし私の年式(90年前半)だとリアカウル側はサスが下から入る形(サスペンションがフレームを突き上げて組み付けられている状態)となっており、リア側のボルトのみ取り外したところサスが突き上がってフレームの穴とサスの穴が合わなくなってしまいました。

結局はスイングアーム側のボルトも抜きサスを丸ごと取り外す…という結果になりました。やってみると大した時間は掛からないので、最初から取り外すことをおすすめします!

青いゴム手袋の上にある二本のボルト
ジャッキアップで簡単に取れます。


2.アンモボックスをステーに当ててステーの縁取りを書き込む

裏側からみたサイドケースとステー

次は直接ステーにアンモボックスを当てがって角度を調整しながら、ステーの縁取りを書き込んでいきます。この辺は細かい精度を度外視していますので、ちょっと角度がずれた・ちょっと上に行ってしまった…等起こりうるかと思いますがそこはDIY精神として自分の実力が物を言います(笑)


  1. アンモボックスを置く台として適当な物を用意(私は収穫カゴでした笑)
  2. 台にアンモボックスを乗せて自分なりの「これだ!」ポイントを探す
  3. ポイントが決まったらそこで固定し、水平器で水平を取り固定する
  4. ステーの縁を鉛筆・クレヨン等で書き込む

実はこれが一番時間かかるかもしれません…ポイント決めてると「いや、もっと後ろだ!」「いや…結局前の方がいいな…」「ちょっと待て!これじゃあトップケースと干渉しちゃうじゃないか!」と、試行錯誤(これが楽しいんですけどね)するので悩むところになると思います。

私はアンモボックスの手配にちょっと時間を要していたので、その間ダンボールで等倍のモデルを作ってあれやこれやと考えていました。(写真参考)

あまり前に寄せるとタンデム用のバックステップに干渉するし、後ろに寄せるとリアウィンカーに干渉するし…下げすぎるとバンク角取れなくなりそうだし、上げたら上げたで重心が上にズレそうで怖いし…という事で見た目と機能性という中途半端なところを取っております。私のこれだポイント!はボックスの上蓋の上辺がリアカウルの上辺と水平となる程度となっています。

バイクを真後ろから撮影

この位の高さだと、右はマフラーに干渉しないしそこまで熱影響を受けなさそうで、且つステー組み付けのバランスも良くガタ付きが少ない様に思えます。え?右側のサイドケースがなんか上向きになってない??

ええ、よくお気付きで…左から組み付け始めて右側は「まぁ左側の鏡合わせの縁取りで問題なかろう!!えいやぁ!!」と勢いで進めたところビミョーにステー(フレーム?)がズレていた様でこの有様です。もし作成する際はちゃんともう一方も実際に合わせてから縁取りを強くオススメします!

緑色の箱の絵

実際の縁取りはこんな感じで、適当に…写真撮り忘れてて無いのです…申し訳ない程度に絵を載せておきますね…。縁取り線を描く際は鉛筆より「クレヨン(細)」の方が良いと思います。鉛筆でも良いのですが本体が硬いので柔らかい鉛筆を使う必要があります。自宅に色鉛筆があれば良いのですがホームセンターなどでも一本100円前後で売ってます。まぁ使いやすい物でOK!


3.縁取りを目安にしてワイヤークリップの取り付け穴を開ける

4.サイドレールに括り付ける凸型金具の取り付け穴を開ける

手のひらにあるワイヤークリップ

ほんとこのワイヤークリップ(以下WC」さえあればなんでもサイドケース化できる…のではないかと思わせてくれる位すごい金具です。そしてお値段120〜130円程度!サビが心配ですがステンだと3〜4倍のお値段します…鉄でも塗装するの楽しかったし…これから作る方いらっしゃったら鉄よりちょっとだけ高いけどステンレス製もおすすめ!


  1. ボックスにWC を適所に配置する
  2. ボックス本体にWCボルトの枠線を描く
  3. 枠線の中心にポンチを打込み掘削点作成
  4. 鉄鋼用ドリルで下穴3〜4㎜で開ける
  5. 8.5〜9mmのドリルで本穴を開ける

さて、ここでもボルトの縁取りがあります!(笑)まずはワイヤークリップの配置ですがあまりボックスの端に寄せすぎるとボルトが寄り過ぎてしまい、締められなくなるどころか「ボックス自体の強度が落ちかねない」と考えまして、ボルトの最端から最低でも10mmは離したポイントにて加工してあります。

最終目標が上の写真になりますので、ワイヤークリップ を当てて良いポイントを探って見ましょう。ポイントが出ましたらボルトをボックスに立てて枠線を書き込んでいきます。

そうすると右上の絵の様な下書きが完成すると思います。ここでは“4.サイドレールに括り付ける凸型金具の取り付け穴を開ける”も同じような作業になるので合わせてやってしまいましょう(ボックス上辺の並んだ赤丸部分)。


なぜ凸型金具を組み付けるのか。

上から見たバイク用サイドケース

ステーだけでも問題なくバイクに取り付けできます。では何故凸型金具を取り付けるのか…

それはサイドケースの「剛性」を意識しています。ステー自体の力は「ケースを保持する力」即ちバイクから見れば外側への剛性には優れています。しかし一方向の力のみに支えられていると、逆側からの力がかかるだけで簡単に外れたり、歪んだりしてしまいます。

そこでこの凸型金具を取り付け、サドルバッグに付属していた合皮ベルトを用いてサイドレールとケース本体を結びつけます(凸型金具はベルト通しみたいなものです)。これを行うと箱に触れただけで「バインバイ〜ン」と揺れてしまうケースが「ブルッ」となります(笑)。要するに「押す力と引く力の両方にベクトルを掛ける」という事です。

実はカスタム当初ステーのみで取り付けていたのですが、荷物を入れていると振動に合わせてケース本体がだいぶ揺れていました。そこでこの加工を施した所、加工前と加工後では明らかに安定性が上がっているので合わせて加工を行うことをオススメします。


それでは次はいよいよ穴あけ加工です。無いとお話しにならないのは「ポンチ」です。これもホームセンターなどで普通に売ってまして、必ず「鉄鋼用」の表記を確認しましょう、場合によってはマグポンチや寄せポンチなど似た様な名前の物もありますのでご注意を。DIYをするなら一個持っていて絶対に損はありません。

銀色の鉄製ポンチ

高いものではないのですが価格の参考にリンクを貼っておきます↓

センターポンチを楽天で見る

ワイヤークリップのボルト枠線を描いた中心点にポンチを当て、金槌をスナップするぐらいの感覚で「カンッ!」と一撃入れましょう。軽く何度か打ち付けてやるよりもブレにくいですし、実際の穴あけの際も軸ブレが少なくなります(個人感想として)。それをワイヤークリップ のボルト8箇所・凸型金具の4箇所の合計12箇所を打ち込みましょう。

ここから失敗できません。実際の穴あけ加工です。

因みに私、横着して【失敗】しております。その反省を是非生かして頂きたい!
最終的には8.5〜9.0mmの穴を開けていきますが「一回では開けられません」開けられる方もいるでしょうが私のような素人は地道にいきましょう。因みに開けられない事もなかったのですが非常に仕上がりが汚くなり、バリ削りに時間を要しました…コツは以下の3つです

  • 必ずポンチで始点を作る
  • オイルを吹き付けてから掘削する
  • 下穴開けをしてから8.5㎜の穴を開ける

ポンチには触れたのでスルーしまして、オイルですね。シンキングオイルという専用品も売られてはいますが、この程度の掘削であれば556でも対応できました

因みにオイル無しで掘削したところバリの発生・掘削途中で止まる・高温になる・掘削屑が飛沫する…という弊害が発生しました。横着せず一穴一穴開けるごとにサッとで良いのでドリルにオイルを吹き付けて加工しましょう。

続いては前述しましたが一度3〜5mmの穴を開けてから8.5mmの穴を開けるとバリもなく綺麗に仕上がります。ちょっとバリが出たな〜と思ったらドリルを回転させたまま前後にドリルを出し入れするとバリが取れます(ただし角度をつけてしまうと加工した穴が広がってしまうので注意!)。ここまで来たら殆ど終わり! あとは楽しい組み付けです!


5.バイクからステーを取り外す

組付け作業と逆の手順で取り外してみてください!ただただ逆手順なので説明は省略させていただきます…


6.ステーとワイヤークリップを組み合わせる

では、早速組み付けていきましょう!

さて、組み付けですがなんら難しいことはありませんが私なりの「工夫」として、いくらアンモボックス自体に防水性があるだろう、と言っても穴あけ加工してしまっては水漏れが心配になります。そこで「ゴムワッシャー 」を使いました。要はパッキンですね。さすがに金属と金属同士では隙間が心配なのでゴムワッシャーです。昔あったかな…??


  • WC取付穴にゴムワッシャーを配置(8枚)
  • ステーをアンモボックスに配置
  • WC をステーに滑り込ませる様に組合せ
  • WC の上から付属U字ボルトを差し込む
  • ボックス内側のボルトにワッシャーを共締
  • 同じ要領で凸型金具を取り付ける(省略)

ワイヤークリップ  の組み付け図

アンモボックスのふかん図
真上から見たワイヤークリッパー断面図

写真で説明してもワイヤークリッパー自体を真っ黒に塗装・ゴムワッシャーも真っ黒…と何がなにやらわかりにくかったので頑張って絵描いて見ました!!

金属のワッシャーを使うよりもゴムの弾力が発揮され、アンモボックスとのクリアランスはゼロに近くなります。実際に私は表面部分のみ(図のように)しかゴムワッシャー を使用していませんが水漏れは一度もありません。知床・札幌間のキャンプツーリングやその他のツーリングでも降雨・霧がありましたが中への浸水はありませんでしたので、この工夫が功を奏していると考えています。

ワイヤークリップ裏のゴムワッシャー

取り付けの動画を撮影してみました(サンプル的な)。左手で撮影しながら右手のみで作業したので、全然ボルトが入らないように見えますが実際はすんなり入ります…お恥ずかしい。また、サイドケースの中が汚れている様に見えるのですが、これはもともと暗視ゴーグルの運搬箱だったので振動吸収のごっついスポンジのテープ糊が付いていたものを剥がした跡です。

通常はスポンジを被せて使用しています。本当はケース内側はワッシャーではなく「U字プレート」の方が剛性が取れるのでそちらが良かったのですが、9mmのワイヤークリッパーに合うプレートが探し出せず普通の8mmワッシャーになっています。今の所は問題ありません。ちなみに、全てボルトを締め終えるとこんな感じに…

サイドケース内部に飛び出たボルト

ボルトが約10mm程度は飛び出ているので「ボルトカバー」でも被せようと考えてましたが、元から付いていたスポンジを被せると丁度よく隠れるのでそのまま使っています。でもボルトカッターなるものがあれば、飛び出た分カットしたいんですけど今の所それは出来ていません。

また、ステーとワイヤークリップの噛み合わせは金属対金属ですので、ゴムシートやスポンジ等を噛ませても良いかと思います(私は加工し忘れてそのままですが今の所ズレなど特になく快適に使えています)。

ちなみに、”7.凸型金具を取り付ける…は
凸金具組み付けて裏にはU字プレートで剛性取るだけなので割愛します(笑)


完成!アンモボックス→サイドケースに変貌 実装

サイドケースを取り付けたエストレヤ

はい、という事でアンモボックスがとうとう「サイドケース」に変貌しました!

組み付けは“1.バイクにサドルバックステーを取り付ける”でご紹介している通り、単純なステーの取り付けですので問題はないと思います。たぶんこの方法でサイドケースを作ってみると「ここにペットボトルホルダーを追加しよう!」とか「ん〜なんとかサイドケースにロッドケース付けられないか…付けられそうだな…」等、思いの外DIYでサイドボックス化が出来るものだなぁと感じると思います(DIY先輩方からするとオモチャみたいなものでしょうが…)

それくらいやってみると案外簡単な物でした。私の場合は組み付け以外にも塗装したり、タンデムシート→リアキャリア化したり、そもそもサイドボックス化するまでにあれやこれやと考えた結果、構想・調達・実行に5ヶ月位掛かりましたが…物さえ揃えてしまえば1日で終わるでしょう。

また、ワイヤークリップ の取り付け面が平らであれば、アンモボックスだけではなく、オークション等で販売されている他車両のサイドケースも付けられると思えてきます、それくらいワイヤークリップ に衝撃を覚えたカスタムでした

それでは皆さん良いバイクカスタムライフを!

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