家の中の薪ストーブとレンガ製の防火屏

JOTUL F163(F162)特有のちょっとした悩み。

家の中の薪ストーブとレンガ製の防火屏

1853年創業、ノルウェーの薪ストーブメーカーが作っているベストセラー薪ストーブのF163。3本足でサイドビューからも炎を愉しめる可愛い相棒。そんなF163のちょっとした悩みをご紹介。これから導入を検討されている方の参考にもぜひ。


この記事以外にもF163の「持病」に近い事案がありましたので、別記事に起こしてみました。ご参考にどうぞ。

銭屋工芸社

薪ストーブを検討されている方向け。ストーブのメンテで一番頻繁なのは正面のガラスです。世間ではケミカルやエコなクリーニング…


F163の概要の落とし穴。

実は公式HPを確認しても、薪ストーブ全体のサイズやスペック(燃焼出力等)は記載されているのですが薪ストーブの炉内のサイズは掲載されていません。公式には…

薪長33(㎝)投入目安1.6(㎏/h)

JOTUL公式HP F163から引用

33㎝」との表記はあるので大した気にもしていませんでした。販売されている薪にはそれぞれサイズ別で販売されている事は知っていましたし、日本国内の施工事例が何例か出ているのも確認していたので、ねじお家への導入も問題ないと考えていました。

それが大きな落とし穴だったのです…


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販売されている薪は2種類のみ

私が調べる限り販売薪のサイズは2種類で
35㎝か40㎝のみ

もう一度よく見てください。

35㎝か40㎝のみ

文字色を変えてみました。
先ほどの公式HPからの引用に記載されている、薪長をご覧ください。

お分かりになったでしょうか。そう、公式薪長が33㎝のところ販売されている薪長は短くて35㎝

入らないのです。

これ本当に困ります。
原木の切断や加工は全て人の手で行われているものですから、実際は35㎝薪を購入すると大なり小なりあるので【大体30㎝強〜35㎝弱】の範囲の薪が届きます。そうすると、良くも悪くもストーブに薪を焚べる際に真横に入れて「入るもの」と「入らないもの」が出てくるのです。

しかし、入らない物も「横だから」入らないだけで「斜め」すれば簡単に入れることが可能です。1段目はね…

薪ストーブ内部と薪とメジャー
炉内の横幅は公式通り33㎝の薪がピッタリ。

薪を重ねる時は斜め置きが必須。

焚きつけの際は私がオススメしている「上から着火方」で着火をしている為、薪を2段、3段と重ねていく必要があります。焚きつけ以外でも、薪を追加する際には薪を焚べていくわけですから、長すぎて横置きで入らなければ斜めにする必要が出てきます。

ですから市販の35㎝薪であっても「斜め置き」が最も頻度の高い薪の配置方法になります。例え30㎝の薪であっても奥行き自体が30㎝ちょうど位なので、ドアを閉めることが出来ず使えません。焚き付けするにせよ、追加で薪をくべるにしても斜め置きにする必要があります。

薪ストーブ内部と薪とメジャー
奥行きは約30㎝ 等サイズの薪でもドアが閉まらない…
薪ストーブの内部に置いた薪
30㎝薪でも2段目は斜め置きが必須。

さらに言うと、F163(F162)では炉内の天井と横幅は手前が広く・奥が狭くなっている立体的な台形のような形をしている為、実は公式の薪長である33㎝の薪であっても最下段の奥側(写真の薪1段目奥側)にはギリギリ入るか入らないか…という構造です。さらに薪を積み重ね、3段目では横幅に変化はありませんが1段目で約30㎝あった奥行きが約20㎝になっているため、市販の薪では縦置きする事は不可能です

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ただ、3段目であっても斜め置きする事で、ある程度井形には薪を組むことが出来ますので、焚き付けや薪の追加では多少クセはありますが実用としては問題になるものではありませんので、安心してください。


薪を縦置きする為の大きさ

まぁ全て斜め置きすれば「なんとか」なるのですが、焚きつけ時に薪を運んできたのは良いものの「こっちは入るな…あ〜これは斜め置きか…そうすると2段目に置けないから、こっちのちょっと短めのを入れて…そしたらこれを2段目に組み込んで…」なんて、薪の入り繰りをする事が多々出てきます

そうして使いやすいものをひたすら使い続けると、シーズン後半で大型の薪ばかり残ってしまい、焚きつけで苦労したり、大型の薪だけ翌シーズンに持ち越したりする事となってしまいます(私です…)

そこで、ある程度バランスよく使っていくためにも我が家では

焚きつけ時にだけ使う薪を「用意」「自作」しています。

と、いうのも一度火をつけた後では二段・三段と組んで薪を焚べる事がないからです。

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↑熾(おき)が出来てから追加で薪を入れる動画です。こちらの動画で分かるように、追加の際は一本〜二本の薪を入れていくため追加の際には縦置きで薪を焚べる事はありません。縦置きが必要になるのは「焚きつけ時のみ」になります。

焚き付けで私が使いやすい長さは

25㎝前後です。

市販品から見るとだいぶ短いので、そんな長さの薪を作成している薪屋さんは居ないでしょう…まぁ無くても何とかなるのですが、あるととても便利です。

例えばピザを焼いたりグリル料理をする際に、熾き調理だけではなく「直接火を当てる」「軽く煙でスモークする」などの理由で薪を焚べる際に、30㎝より長い薪だと入らない場合がある為、この長さの薪があると縦にも入れられるので非常に便利です。

まぁ自己満足に近い部分はあるでしょう(笑)そういう場合のテクニックの一つは「枝を入れる」という所です。枝だと折ったり、曲げたりする事でサイズ調節ができますし、そもそも短い物が多いです。また、香り付けであっても枝の本数を増やせば薪を入れる以上に香り付けをすることができます。

薪ストーブと薪とメジャー
25㎝前後だとまさかの四段目を作るときも対応可。

自作みじか薪を使って三段組をすると…

ストーブ内に薪を三段に組む
三段目でこんな感じに組みあがります。

こんな感じに組み上がって焚きつけしやすい状態が作れます。もし可能であれば自作で25㎝前後の薪を作ってみてはいかがでしょうか?無くても問題はないのですが、あるととても便利ですよ!


まとめ

  • F163の概要記載薪長は33㎝。
  • 市販品の薪は35〜40㎝の2種類が主流。
  • 斜めに入れれば35㎝薪は大体は入る。
  • 縦置きなら25㎝前後で自作するべし。
  • 無くても良いが、あるととても便利。
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F163(162)は薪ストーブとしては小型の部類に入ると思いますが、燃焼効率も良く、操作も簡単で老若男女問わず使えるオススメ薪ストーブです。形も独特でカワイイ反面、ちょっとだけクセがあるのは薪の長さだけ!導入した後で悩むよりも、導入する前に参考にしていただいて、最高の相棒にしていただければ幸いです!

それでは良い薪ストーブライフを!(挨拶)

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