家の設計図

薪ストーブ設置スペース(炉台)の確保を考える。

家の設計図

薪ストーブの設置を検討すると場所の次は「どれくらい」のスペースを割くべきなのか…という部分に行き着きます。新築に薪ストーブを導入して5年経った今、改めて感じる部分をお伝えします。これから薪ストーブの導入を検討される方にも参考になれば幸いです。


薪ストーブスペース変革推移

一年目
夢を抱いたオシャレな休日の相棒。

緑のソファーとクッションとローテーブルと薪ストーブ
あの頃はこんなにスッキリしてたのか…


二年目〜三年目
毎日運行の主暖房ちょっと狭い。

火のついた薪ストーブと薪
初年度〜2年目くらいの写真 ちょっと物が増えた?

そして3年目以降からの現在進行形がこちら…

5年目の現在
完全な主暖房の地位を確立!!

柵で周りを囲った薪ストーブと収納棚
現在進行形がこちら!!

カタログやホームメーカーのおしゃれな施工事例に憧れ、当初はスマートな使い方を目指していましたが…

無理です。あれは夢です。

割と最小限にはしているつもりなのですが2年目以降から主暖房化が進み、屋内への薪保管(当日〜翌朝分の薪)が多くなりました。当初は2年目の写真の様にウッドストッカーと、ちょっとしたバケツで対応していたのですが、横広に場所を取ってしまい使いづらくなってきた為「縦に収納スペースを伸ばす」目的でホームセンターで棚を購入し、そこに薪・アクセサリーを配置しています。

また子供も産まれ、万が一にも事故が起きない様にゲージを購入しました。私達が子供に「危ない」という事を伝えてきているせいか、近づきません。子供なりに炎の怖さを分かってくれているのでしょうか。

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「とりあえず」省スペースはNG

どうです?ねじお家の後付け感半端ないでしょ…注文住宅なんですけどね…苦笑

別記事:「薪ストーブを考え直す大きな理由。

上の記事にまとめましたが「私の様なアウトドア好きな人間」は確実にちょっとした趣味から主暖房になっていきます。個人により薪ストーブ病は進行状況の差はあれど、確実にあなたを蝕んでいく事でしょう(笑)

薪ストーブの設置を考えているなら三角コーナー等での「とりあえず設置」は絶対にやめた方が良いです。我が家のように後付け・後付けになっていきます。使えば使っていくだけ薪ストーブの魅力に気付き、こういうアイテムが欲しい・ここにストッカーをおけばとても便利だ・この道具を使ってみよう…等あなたが厳選していったアイテム増えたり、減ったりしながらその勢力を拡大していくはずです。

ですから、最初からスペースを取るべきです。薪ストーブに2〜3畳くらいのスペースはあげてください。後で「よかった〜」と思うはずです。

◆ねじお家の薪ストーブ周り

柵に囲われた薪ストーブと使用する道具の説明

では、実際何をおいているのかご紹介。

  • ウッドストック
    →実際の「追加薪」として使用するメイン薪をストック
  • ファイヤーツール
    →掃除・灰慣らしなど日常的に使う道具
  • 薪ラック兼アクセサリー保管棚
    ○焚き付け用の中太・中細薪(ここが満タンで約1週間分)
    ○着火剤・割り箸等の焚き付けに使う物
    ○運搬バケツ・アッシュコンテナ
    ○ピザ用の鉄板(フライパン)をぶら下げ
    ○薪ストーブ周りの掃除用ちりとりをぶら下げ
  • 薪ストーブ調理用の五徳とLODGEのサービングポッド(鉄鍋)
  • 鉄鍋などを一時的に置く輪切りの木と耐熱レンガ
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どうでしょうか、写真がわかりにくくて申し訳ありません。素人にはこれが限界でした…汗

なんどもお伝えしますが、薪ストーブに憧れて皆さん取り付けるわけですよね?もう、この時点で諦めてください。ほぼ間違いなく主暖房化しますから!普通に使っていても2年目の写真くらいの物は配置しなくてはなりませんので、我が家のような省スペース炉台だと、後々苦労します。後付け・後付けでごちゃごちゃしがちです…ですから、少なくとも2畳〜3畳分は薪ストーブの炉台として必要になってきます

ちょっとしか使わないとしても我が家の様な三角スペースの約1畳炉台は小さすぎます!!

また、薪やら道具やらを配置するだけではなく、日常的に薪ストーブを使うという面から見てもスペースの確保が必須となる理由があります…結構なデメリット…というか我が家での失敗事例ですね。


薪ストーブ手前の真実(?)の姿。

使っていると「当たり前」すぎて、わざわざまとめている人が稀でしょうか。勇気を持ってお伝えします。

1日使っただけでめっちゃ汚れる
相当乾燥、無垢材との相性は最悪。

だから炉台を広く取って欲しいのです。

薪ストーブ直下の汚れ

まずは汚れですね。
主に灰なのですが薪の追加や熾の慣らし、灰慣らし等で確実に灰が飛散します。我が家の相棒F163の様に手前からドアを開けて薪を焚べるタイプであろうが、横のドアを開けるタイプであっても避けられません

タイル製の床と薪ストーブと鉄製の五徳
1日使った翌朝、大なり小なり汚れる。

また、灰だけではなく「薪自体からの木屑」もそれなりに出てきます。写真はわざと1日掃除しなかったのですがこんな感じになります。これをダスター刷毛などで掃除するのですが、それなりに汚れているのがお分かりいただけるでしょう。

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因みに真ん中の黒っぽい輪の様な汚れは、炭化した薪を落としてしまった跡です。こういった燃えているものが落下したり、汚れやすいという事もあり薪ストーブの床面はタイルや土間になっています。

ねじお家の三角コーナー(省スペース)配置だと、ストーブ本体から無垢床まではタイル一枚分の距離しかありません

下の写真を見ていただけるとお分かりになる様に「奥行きがない」のです。これでは偶に起こる「炭化した薪の落下」「火の粉が飛ぶ」「着火の際マッチを落とした」といった熱源が床面に設地してしまう際に、タイルではなく無垢床に設地するリスクが高くなり、床が焦げたり場合によっては燃える事も想像できます。

その為、無垢床とタイルの境界部分に麻や綿製のマットを敷いて養生しています。実際にこのマットの上に炭化薪が落下し、無垢床が焦げなくて済んだ…という事が年に1〜2回程度起こります。

そういった薪ストーブ本体からの「奥行き」は掃除のし易さ、防火対策の観点からみても非常に重要である事がお分かりいただけるのではないでしょうか。


薪ストーブ直近の乾燥

次は乾燥です。
下の写真をご覧ください。我が家は無垢床なのですがその板間がゴミが入るほど開きます。最初はしっかり閉じていましたし、カーペットをかけて居たのですが空気乾燥はもちろん、主要因は薪ストーブの熱だと考えられます。熱源が目の前ですから薪ストーブの産熱影響をもろに受けてしまいます

板間は通常1㎜程度なのですが、ストーブの前は約5㎜開いてます。誇張ではありません、実際にその目で見ると私も驚くくらい間が開いてます。薪ストーブの正面ですから「熱当たって乾燥するのなんて当たり前でしょ。」と思いますね。今思えばそう思いますが、私たちが家を建てた当初その様なアドバイスはホームメーカーも、薪ストーブ設置の業者さんもしてはくれませんでした。「こういった設置事例がある」という理由だけで特に何も考えず、配置を決めてしまったのです。

汚れや焦げ防止の意味合いもあり、当初からマットは被せて居たのですがそれでも乾燥して板間が開いて行きました。まぁ別に乾燥して板間が開くくらいは別に良いのですがね…でも炉台を広く取っていれば、そんな些細な事も気にならなかったはずなのです。

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次の写真は薪ストーブ正面からの距離ごとの床状況を対比してみました。正面から40〜50㎝だと板間が相当開いています。一方80〜90㎝では多少の開きは見られますがあまり気にならないレベル。

無垢材自体が乾燥したり、逆に湿気を吸って大きさが変わるものなのは分かっているのですが想像以上に開きます。こういった意味合いで相性は最悪です。もしこれがグラフィボードのような合板であればここまで開かないでしょう。でも私は無垢床の足触りが好きなので、これは後悔はしていません。

ではどれくらいのスペースを取るべきなのか次で触れていきます。


右に90・左に90・正面に90㎝が理想。正直、土間が最高。

これは薪ストーブの出力や壁面の施行によって大きく変わるところです。

薪ストーブと壁と床の説明図
壁面配置例として

しかしながら、これくらい取っておけば床の乾燥はもちろん、灰や木屑の掃除に悩まされることはありませんし、床が焦げる心配もまったくありません。言ってしまえば私の様にマットを敷く必要もありません。しかも、その炉台スペースの中に「薪にまつわる全てのもの」を収められます

以下は我が家の三角コーナー省スペース展開の図です。角設置したが故に物を置くスペースが取れず、結局ストーブの左右のスペースを伸ばすこととなりダイヤモンド型になりました。このスペースの中に全てのものが収まっていますが、写真をみても分かる通り後付け感が半端じゃありません

薪ストーブとゲートの位置の説明図
ねじお家の三角レイアウト

カタログなんか見ていますと「うわ〜すごいクラシックだなぁ…レンガで囲われてファイヤーツールも壁掛けか…こりゃやりすぎでしょ…。」的な写真ありますよね?あれが薪のストックやツールをなるべく床に置かず、メンテや掃除の効率が高いです

長い時間を掛けてあの形になっているのだなぁと今ならしみじみ感じます、あれが最高。この図面を見ても「ちょっと広いなぁ…」と思っているそこのあなた、間違いなく後で後悔しますよ!

炉台スペースを広め(私的にはちょうど良い位)に作って、後からそれを縮小する事は可能ですが、広げるとなると中々難しいですし後発でお金掛かります。ですから腹をくくって薪ストーブ屋さんや施工業者の方とお話しして、自分が思う少し広い炉台にする事をオススメします。

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まぁあーだーこーだー書きましたが、これはあくまでも「リビングなどの一角」の話でそもそもが「土間」ならば何にも考えなくて良いです。というか、土間が最高です。

ねじお家みたいに中途半端に無垢床+炉台なんてやった日には、玄関〜ストーブまでの動線で木屑は出るし、灰の掃除は大変だし炉台のスペースには制限あるし…と制限ばかりです。一方土間はその土間スペース全体が言うなれば炉台に近く、掃除も何も圧倒的にラクです。

そういう意味合いでは、もしあなたが薪ストーブを設置したくて話を聞いたホームメーカーが土間や設置場所に玄関を勧めてきたら、それは信頼できる所かもしれません。たぶん薪ストーブをよく分かっています。


まとめ

  • カタログの様なスマートな使用は「夢」
  • 省スペース設計は本当にオススメしない(私が失敗した)
  • 2〜3畳の炉台のスペースが理想
  • 炉台には様々なアイテムが押し寄せてくる
  • 炉台に全て収納する事ができる程度は必要
  • 汚れ、乾燥、保守の観点からみても広めに取ってメリットしかない
  • 本体から左右正面に90㎝取れたら安心
  • 最もな理想像は「土間」土間最高
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「結構広く取らないといけなさそうだな〜」なんて少しでも考えてくれたら私の勝ちです(笑)まぁ私が施工するわけでも、業者でもないのですが、パッと取り付けた後で気づいた薪ストーブの魅力と、それに伴う諸々の後悔が多くてもう一回家建てたい位です、ほんと。
少しでも皆さんの参考になれば幸いです。

それでは良い薪ストーブライフを!(挨拶)

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